なぜ日本は児童ポルノ漫画を禁止しなかったのか? | BBC


英国国営放送BBCのサイトは、7日、「なぜ日本は児童ポルノ漫画を禁止しなかったのか?」と題するレポートを掲載しました。
James Fletcher記者が、日本の同人誌即売会や秋葉原のDVDショップを取材してまとめた長文のレポートです。
日本では2014年6月に児童ポルノの単純所持を違法とする法律が成立しましたが、漫画は規制の対象外となっており、BBCは、かねてからこの問題を取り上げています。
「これらは、間違いなくイギリスやオーストラリア、カナダでは物議をかもし、違法となりうるが、日本では問題とはされていない」とJames Fletcher記者は指摘しています。

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記事では、東京・池袋で開催された同人誌の即売会を取材。「少女との行為を(漫画などで)妄想することは禁止されていない」という参加者の率直なコメントにJames Fletcher記者は、驚きを隠さない。
確かに漫画などにおける妄想は、誰も傷つけないが、その結果、一般化されてしまい、実際の犯罪につながるのではないか? という懸念はぬぐい去れない、と指摘する。
依然として、秋葉原のDVDショップでは、水着を着た「ジュニア・アイドル」がセクシーなポーズをしたビデオが販売されている。 2020年の東京オリンピックが近づくにつれて、日本の漫画が"Weired Japan"ではなく、"Cool Japan"となるような海外からのプレッシャーが日本にかかることだろう、と記事を結んでいる。

Why hasn't Japan banned child-porn comics? - BBC News

Child Porn2012年6月16日付けのBBCの記事によると、日本の漫画を翻訳したスウェーデンの翻訳者が児童ポルノ所持の罪で起訴されましたが、最高裁まで争った結果、無罪判決を勝ち取りました。描かれていたのは、想像上のキャラクターであり、実在の子供への危険につながるリスクは小さい、というのが判決理由です。
Swedish manga cartoon translator cleared of child porn - BBC News
また、2014年7月と12月の二度、通称「ろくでなし子」と呼ばれる日本の女性アーティストが女性器の3Dデータを配信したことが猥褻物陳列罪に当たるとして、逮捕されましたが、これについてもBBCをはじめとする海外メディアが報じています。
Japan charges Tokyo 'vagina artist' with obscenity - BBC News
こうしてみると、なにがポルノに該当するか否か、については文化的なコンテキストもはらんでいることがわかります。