ニュージーランドは貿易パートナーをスパイ活動の標的にして、コンピューターをハッキングしていた | The Intercept


アメリカのニュースサイトThe Interceptは、11日、「ニュージーランドは貿易パートナーをスパイ活動の標的にして、コンピューターをハッキングしていた」という記事を掲載しました。
これは、アメリカの諜報機関NSAの内部告発者エドワード・スノーデンから入手した情報をもとに、ニュージーランド・ヘラルド紙と共同で分析を行った結果を公表したものです。
ニュージーランドの諜報機関GCSB(Government Communications Security Bureau)は、英語圏の国によって構成されるFIVE EYESと呼ばれる情報共有ネットワークに、こうした諜報活動によって得られた情報を提供していたようです。FIVE EYESにはニュージーランドのほかに、米英加豪が参加しています。
日本も諜報活動の対象となっていたようで、The Interceptの記事では、日本の安倍首相とニュージーランドのジョン・キー首相の二人の写真を掲載しています。

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記事によると、2013年4月、NSAのスタッフが、GCSBの貢献に関する分析をまとめた。それによると、ニュージーランドは、20以上の国や地域に対してスパイ活動を行っており、その中には友好国や貿易パートナーも含まれていたという。
諜報の対象は、中国、日本、北朝鮮、ヴェトナム、南アメリカ、南太平洋諸島、パキスタン、インド、イラン、さらには南極大陸にまで広がっていたようだ。
また、諜報活動には、従来行われていた通信衛星や電話の盗聴などに加えて、WORRIORPRIDEというコンピュータウイルスを使用してコンピューターやスマートフォンをハッキングする手法も採用されていた。

New Zealand Targets Trade Partners, Hacks Computers in Spy Operations - The Intercept

FIVE EYES ニュージーランド・ヘラルド紙の11日付け記事によると、NSAは、「アメリカがアクセスするのが難しい地域の情報をもたらしてくれた」とGCSBを高く評価しています。
Snowden revelations: NZ's spy reach stretches across globe - NZ Herald News
また、英ガーディアン紙が報じたところによると、これらの活動を支援するために、オーストラリアはニュージーランドにスタッフを派遣していたようです。
Australian spy officer was sent to New Zealand to lead new surveillance unit | The Guardian
これは、英語圏の国からなるFIVE EYES間の緊密な関係を伺わせるものですが、逆に、非英語圏の国にとっては、不信を招く行為と言うことができます。
暴露:スノーデンが私に託したファイル

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